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「飛躍の一年」(菅野大輔)

 

 こんにちは、教育学部第四類健康スポーツ系コース4年の菅野大輔です。

 

 本題に入る前に、これまでの大学サッカー生活を通じての心境を、少し述べさせていただきたいと思います。振り返ると、大学3年時までは何度もAチームとBチームを行き来し、ポジションもWG➡CB➡SB➡MFとコンバートを繰り返すなど、決して安定のしない3年間でした。その中でも、大学3年時は1年間を通じてBチームでプレーをし、トップチームのインカレ出場もメンバー入りは出来ず、素直に喜べない自分がいました。当時の私は、Bチームに同級生が多く、居心地が良かったのもありますが、「どうせAチームには上がれないだろう」と向上心が失われていたように思います。何とかAチームに定着してやろうともがいていた大学1,2年時に比べて、「楽しくサッカーが出来ているからこのままでいいや」とどこか諦めていた自分がいました。しかし、今思えばそれは決して本心ではなく、どこか自分で自分に嘘をついていたように思います。「トップチームのメンバーとして全国大会のピッチに立ちたい」、これこそが自分の目標であり、兼ねてからの想いだったと思います。

 

 さて、前置きが長くなってしまいましたが、本題に入ろうと思います。タイトルにもある通り、今シーズンは私自身にとって「飛躍の一年」でした。というのも、広大Aとして臨んだⅠリーグは開幕戦ベンチスタートからスタメンを勝ち取り、そしてチームの主軸として活躍することが出来ました。加えて中国リーグでは、第6節の島根大学戦以降全試合メンバー入りを果たすことが出来、自分にとって見える景色が大きく変化した1年となったからです。

 

 Iリーグに関して今年はi1所属ということで、大学1,3年時はi2、大学2年時はi1ではあるもののほとんど出場機会を得られなかったため、「今年こそはAチームのレギュラーとして活躍をしたい」という熱い想いがありました。しかし、蓋を開ければ開幕戦はベンチスタート、チームも広大Bに完敗といった結果で、最悪のスタートとなりました。4年生というチームを引っ張っていかなければならない立場でありながら試合に出られない現状にとても無力感を感じました。そんな自分が“飛躍する”きっかけとなったのが、Iリーグ第2節の経済大学A戦であったと思います。この試合ではスタメン出場の機会をいただき、チームとしては自身の決勝ゴールで勝利をすることが出来、個人としても納得のいくパフォーマンスを発揮することができました。そしてこの試合をきっかけに、次節以降のIリーグは全試合スタメン出場を果たし、創部以来初となるIリーグ上位プレーオフ進出に貢献することが出来ました。また、経済A戦の翌週の中国リーグ第6節島根大学戦ではトップチームのベンチ入りを果たし、以降第16節を終えた現在までベンチ入りすることが出来ています。中国リーグのベンチ入りは大学3年時までは1回のみであったため、自分にとって大きく考え方や見える景色の変わったシーズンになっていると思います。

 

 では、なぜ私は今シーズン“飛躍する”ことが出来たのか。私は、信頼と結果の2点が鍵であると思います。

 

 前者に関しては、まず個人として場面ごとで出来る限りのプレーを全力で取り組み、それを当たり前にすることが大切だと考えています。“全力で”というのがミソで、守備や攻撃のポジショニングをさぼらずやることであったり、ゴール前では最後まで体を張ることであったり、メンタル面で改善できることの基準を上げていくことが重要だと思います。こうした自身の役割をしっかりとこなせる選手はコーチ陣からの信頼は厚くなると思いますし、何よりも試合の中で起用しやすく、出場機会の増加に繋がると思います。

 

 後者に関しては、やはりステップアップを目指すうえで欠かせない要素だと思います。まずは得点、DFやGKであれば無失点といった結果を残すことが、自分より上のカテゴリーや同じポジションのライバルと入れ替わる近道であると思います。

 

 以上の2点が私の考えるステップアップの鍵だと思います。しかし、偉そうに語っていますが、自分自身にもまだまだ足りていないことだと考えています。やはり私の個人としての目標は「トップチームのメンバーとして全国大会のピッチに立ちたい」なので、まだまだ成長しなければなりません。確かにトップチームのメンバー入りは継続できていますが、出場機会はまだまだ少ないのが現状です。インカレ出場が決まった今、全国大会の拮抗した場面で起用される選手になるためには、もっと監督やコーチ陣からの信頼を得て、結果を残す必要があります。それを、これからのインカレ準備期間で示していきたいと思います。そしてチームとしてもまずは去年超えられなかった初戦突破を達成したいです。インカレまでの約1カ月、個人としてもチームとしてもその時その時でやるべきことを全力で取り組み、後悔の無い時間にしていきたいです。

 

 長々と語ってしまいましたが、最後に後輩たちに向けて。まずは、せっかく入部したからにはトップチームでの出場を全力で目指して欲しいです。私も3年までAチームでの出場機会はほとんど無かったので、諦めずに取り組んでいればいつかは報われると思います。私自身何度も挫折を経験しましたが、それを乗り越えてこそ今の自分がいると思うので、まずはやめずに努力を継続していってください。そして、現在Bチームの選手は、まずはAチームへの昇格を本気で目指して欲しいです。私自身、今シーズンをトップチームで練習して、周りの上手な選手とプレーすることで沢山成長出来たし、まだまだ様々なことを吸収できると感じています。そして「去年からトップでプレーしていれば、01さんからもっと沢山のことを学べた」と後悔している部分もあります。決してBチームを否定している訳ではありませんが、後輩たちには、焦らなくていいので自分自身の長所を見つけて、それを磨いて、向上心を持って取り組み続けて欲しいです。そしてよりレベルの高い環境に身を置いて、お互いに高め合っていって欲しいです。以上が私の後輩たちへの想いです。

 

 拙い文章でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。