2019〜2022シーズンマネージャー・上泉研究室 北川修平

H24年度入学・2019〜2022シーズンマネージャー・上泉研究室 北川修平

 

まず広島大学サッカー部の皆様、全国大会出場おめでとうございます。2019〜2022シーズンでマネージャーを務めるとともに、2015〜2022年の約7年間上泉先生のもとで、戦術的ピリオダイゼーションとエコロジカル・トレーニングの研究を行った、北川修平です。現在は、今年度より山口県萩市に所在する至誠館大学現代社会学部にて助教を務めるとともに、女子硬式野球部顧問・全日本大学女子野球連盟理事として活動しております。 

「北川、サッカー部の監督をやることになった」、2017年秋頃に上泉先生からその言葉を聞きました。今思えばその時が、25年ぶりインカレ出場への長い旅路のスタートだったのかもしれません。「サッカー部愛」、おそらく上泉先生が大事にされている言葉の一つだと思います。2017年秋、監督として迎える最初のミーティングを間近に控えるなかで、私は上泉先生と1週間の行程でローマでの学会発表、スペインでのアトレティコ・マドリードの視察を行いました。その帰路の飛行機で、周りが寝静まっているなか、出張の疲れがあるにもかかわらず、熟考しながらミーティングで使う資料を作成している姿は、まさしく「サッカー部愛」そのものでした。そこには、新しい挑戦への希望や野心だけではなく、OBとして初めての監督の就任、また広島大学サッカー部の復活という重い責任と、真正面から向き合う覚悟を持った、上泉先生の姿がありました。 

 振り返ると、多くの時間を上泉先生と過ごさせて頂きました。ポルトガルリーグ1部のFCアロウカとベレネンセスSADの視察、服部公太氏(元サンフレッチェ広島)らとのプレミアリーグ・チェルシーの視察、岸本武志氏(元フットサル日本代表)との戦術的ピリオダイゼーション学会への出席、さらには城西大学サッカー部の東海林先生や柴沼先生、鈴木隆二氏(現鹿島アントラーズコーチ)らとの研究会。私が大学教員になり、部活を持った今、大学教員に加え、サッカー部の監督を務め、ここまでサッカー部のために精力的に活動する上泉先生の凄さを、身に染みて感じます。 

 そして、迎えた今シーズン。今年の初めに、上泉先生から、本気か冗談かは分かりませんが、今シーズンの内に、全国に行けなかったら監督を辞める、という覚悟を聞きました。そんな上泉先生の覚悟に呼応するように、チームはリーグ戦で好順位をキープし、最終的に全国への扉を開いたこと、一広大フットボールファミリーとして非常に嬉しく、誇らしく感じます。 

 ちょうど2年前、13年ぶりの3位という好成績を残しながらも、リーグ最終戦がコロナによる影響で中止になった際、上泉先生は「赤い川の谷間」というタイトルで記事を書いていました。そのなかで、広大サッカー部が低迷した約10年間を、赤い川の谷間、という言葉で表現していたことを覚えています。今回25年ぶりに全国という重い扉を開いたことは、決してゴールではなく、ここが広大サッカー部復活へのスタートだと思います。赤い川の谷間に別れを告げる、赫く熱い広大魂を、ぜひ全国という大舞台で多くの人に見せつけて来てください。萩よりご武運をお祈りしております。 

 

至誠館大学 助教・女子硬式野球部顧問 

北川修平