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Learn to Think (西本奈津)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは。広島大学法学部2年の西本奈津です。僕は主に中学校ではボランチとセンターバックを、高校ではサイドバックをしていて、サッカーを初めてからずっと後ろめのポジションをやってきました。でもなぜか大学に入ってからはウイングをやっています(笑)。

 

    今回は僕が広島大学体育会サッカー部に入ったことによって変わった、自分のサッカーに対する捉え方と、その後意識するようになったことについて書いていきたいと思います。

 

    僕が広島大学体育会サッカー部に入ってから変わったサッカーに対する捉え方。それは、「サッカーは頭を使うスポーツである」ということを意識するようになったことです。

    頭を使うという表現が適切かどうかは微妙ですが、ここで僕が言いたいのは、単に試合中に考えて(あるいは、考えながら)プレーをするということももちろんですが、それに加えてプレー外でもサッカーを学んで、プレーを考えておくことがサッカーをする上で大切だと感じ、それを意識するようになったということです。

 

    確かに、高校時代まででも相手の守備陣形を見て、カバーが難しいスペースをロングボールで突く攻撃をしたり、中盤でボールを受けた際に相手の寄せが甘かったら、積極的にミドルシュートを狙っていくなどの駆け引きを行ったり、時間帯や点差などを見てチームの戦い方を変えていく試合運びを行うというように、その場その場で何となく理にかなっていそうなプレーや戦い方は行ってきました。しかし、今まで自分がやってきたそれらのプレーはすべて、自分で頭を使って考えてやったというよりかは、無意識的に、何となくそれがベターだ判断して行ってきたという感覚に近いものや、監督に指示されてその通りにやったというものが多かったです。なので当然、そのプレーや戦い方がなぜ有効であったのかを深く考えたことはなかったため、そこに規則性を見出し、再現性を高めることはあまりできていませんでした。けれども、大学に入るまではそうやって何となくプレーするだけでもやれてこれた感じはありました。

 

    では、どこで頭を使ってサッカーをすることの重要性に気付かされ、それをはっきりと意識するようになったのかというと、それは大学のサッカー部に入部してからでした。もちろん、広島大学が「頭で相手を上回るサッカー」を目指していて、それを実行しようと工夫をしている周りの選手や指導者たちを見て影響を受けたことも大きいのですが、やはり1番は、今までプレーしてきたチームとは、周りのレベルが大きく変わったことにあります。入部してからずっと練習にもついていけず、試合には全く出ることができませんでした。

    そんな僕がサッカー部のレベルに少しでも早く追いつくために意識したことが、頭を使ってサッカーをしようと試みるというものでした。技術の部分は地道に毎日ボールを蹴りながら少しずつ向上させて行くしかないと感じましたが、頭であれば、限られた日々の練習時間以外の場所でも自分が成長できる時間を作ることができると思ったし、そこを伸ばせば自分はまだまだ上手くなれると思ったからです。

 

    では、どのようにして頭を成長させようとしたかというと、最初はサッカーを勉強することから始めました。思考するためには、ある程度の知識が必要だと考えたからです。具体的には、YouTubeでサッカーの試合を分析した動画や戦術(特に個人戦術)を解説している動画を探しては見るということを時間がある時にたくさん行いました。そうすることで、各ポジションの基本的な動き方を改めて知ることができたし、何よりプレーの選択肢を大きく増やすことができたと思います。次に、動画で学んだことを真似してみるということを日々の練習や紅白戦の時にタイミングを見つけて取り入れていきました。上手く効いたなとプレー中に感じることができた時は、めちゃくちゃ嬉しかったです!

    このように、まずは学んだら実践してみて、上手くいったらそのパターンを記憶しておく。そのサイクルを繰り返す。それを意識することで、少しずつですが、戦術的な面では上達していく感覚が得られました(全然まだまだなのですがネ…)。

 

    また、サッカーを学ぼうと意識し始めたことで、サッカーの試合を見る目も変わりました。今までだと好きなチームだけを応援し、何となくボールを目で追いかけているだけでしたが、今では各チームのビルドアップや守備のシステムはどうか。選手はどうポジショニングし、その後どう調整するのか。オフ・ザ・ボールでどのように動いているのかなどを意識して見られるようになりました。このことで、サッカーの試合を見る別の楽しさも得ることが出来ました。

 

    一見、こんな大それたことが言えるのならば、もうちょっと上手くなっててもいいじゃないか!と思われる方もいるかもしれません。

    ただ、知識を取り入れたからと言って、すぐに上手くなる訳ではありません。ここがサッカーの難しいところです。しかし、サッカーの勉強をして、頭を使う土台を作るということが、僕が少しでもサッカーが上手くなるためにはどうすれば良いか考えた結果、至った結論のひとつです。

 

    最後に、あるサッカーに関する記事で、「『上手く行かない理由を何でもかんでも技術のせいにするな』と、いつも伝えるようにしている。サッカーを学ぶことを怠っているからだよ。」と書かれている方がいました。

    サッカーを理解した方が良い。上手くいかない時、その原因には技術のミスと戦術のミスがあって、それが戦術のミスであっても、そこを取り違えてただ闇雲に練習するだけでは上達しないという趣旨の内容のものでした…。

    自分、なんか上手くいってないんよな。そう感じた時には、もしかしたらそこには戦術的なミスが隠れているのかもしれません。それに気がつくためにも、まずはサッカーの勉強をするところから始めてみてはどうでしょうか?

 

    とても長く拙い文章になりましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました。

 

    03 西本奈津